
購入
資金計画
【2025年7月最新版】中古住宅の買い時はいつ?金利上昇と物件価格の賢い見極め方
2025年に入り、日本銀行の金融政策変更を背景に、住宅ローン金利が上昇傾向にあります。
「金利が上がっている今、中古住宅を買うのは損なのでは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
しかし、金利上昇局面だからこそ狙える“お得な買い時”も存在します。
本記事では、2025年7月時点の最新金利動向を踏まえ、中古住宅市場の現状、買い時の見極め方を解説します。希望条件に合った物件を賢く手に入れるためのヒントをぜひご活用ください。
2025年7月時点の金利動向とその背景
日本銀行の金融政策と利上げ予測
2025年6月17日に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、短期金利を現行の年0.5%に据え置くことが発表されました。
同時に、これまで行ってきた国債の積極的な購入を段階的に縮小(テーパリング)する方針も示され、市場は「利上げに向けた地ならしが始まった」と受け止めています。
住宅ローン金利
住宅ローン市場にもこの金融政策の影響は明確に表れており、2025年に入ってから変動金利・固定金利のいずれも上昇基調となっています。
特に変動金利は、2025年4月時点で0.65%から0.83%へと急上昇。これは住宅ローン利用者にとっては、返済総額が大きく変わってくる重要なポイントです。仮に3,000万円を35年ローンで借りた場合、月々の返済が数千円〜1万円前後増加する計算となるケースもあります。
また、固定金利においても、10年固定や全期間固定タイプで1.2~1.5%台まで引き上げが進んでおり、「固定金利で安全に借りたい」と考える層にも影響が出ています。
中古住宅市場と金利上昇の関係性
金利上昇の予測が進む中、住宅購入をためらう人が増え、中古住宅市場では在庫の増加と価格調整の兆しが見られます。
東日本不動産流通機構のデータによれば、首都圏の中古住宅在庫は前年比14%増加しており、成約までの期間も長期化する傾向にあります(東日本不動産流通機構)。
一方、東京圏の中古マンションでは成約件数が増加する中、立地や築年数による二極化が進行しており、郊外や築古物件は価格交渉しやすい状況です。
夏・冬の閑散期には交渉余地が広がり、PR TIMESの調査によれば「金利上昇下でも10年固定以下の需要が増え、値下げ物件が注目されている」と報告されています(PR TIMES記事)。
中古住宅購入の狙い目は「閑散期×ライフイベント」
不動産市場には季節的な需要の波があり、特に春~初夏(3月〜5月)は繁忙期とされ、動きが活発になります。
この時期は転勤や進学、就職といったライフイベントが集中するため、物件の流通量も多くなりますが、それに伴って価格交渉は難しくなりがちです。
買い手同士の競争が激しく、人気物件はすぐに売れてしまうことも少なくありません。
一方で、7〜8月の夏季は閑散期とされ、家探しをする人が減少します。
特にお盆の時期などは内覧希望も少なくなるため、売主側が価格を下げてでも早期売却を目指すケースが増える傾向にあります。
夏の閑散期は交渉にベストなタイミングであり、売主とじっくり条件交渉を進める余地が生まれるのです。
もう一つは「年度末(3月)」や「入学・就職直前の1〜2月」などのライフイベント時期です。
このタイミングでは住み替え需要が急増し、売却物件が市場に多く出回ることで、選択肢が広がります。
特に学区や通勤利便性を重視する層が集中するため、地域によっては物件の流動性が高まり、価格が安定する傾向も見られます。
さらに注目すべきなのが、ライフイベントのピークと閑散期の“谷間”です。
例えば、7月は入学や転勤の影響が薄れる一方で、買い手が減るタイミング。
そのため、「良物件が残っていて、なおかつ交渉しやすい」という好条件が揃いやすくなります。
金利上昇を味方にするローン戦略
住宅ローンを組む際に大きな判断材料となるのが「固定金利」か「変動金利」かという選択です。
固定金利型は、契約時点で金利が確定し、返済額が将来にわたって変わらないため、今後の金利上昇リスクを避けたい人に向いています。
2025年7月現在では、10年固定や全期間固定型で1%台前半の金利が提供されているケースもあり、安心感を重視する層に人気です。
一方で、変動金利型は現時点で0.8%前後と低い金利水準となっており、初期の返済負担を抑えられるのがメリットです。
ただし、注意すべきは「5年ルール(5年間は返済額が原則変わらない)」や「125%ルール(返済額の上限は前回の1.25倍まで)」といった制限があるものの、将来的な金利変動リスクを完全には避けられないという点です。
変動金利でスタートしつつ、繰り上げ返済を積極的に行うことも1つポイントとなってきます。
繰り上げ返済を行うことで、仮に後から金利が上昇しても、総返済額への影響を最小限に抑えることができます。
各金融機関や不動産ポータルサイトが提供している「金利シミュレーションツール」や「将来金利予測モデル」も活用し、最適な借入条件を見極めることが大切です。
中古住宅購入の注意点
価格だけに目を奪われてしまうと、築年数の古い物件やリノベーションが必要な住宅を選んでしまい、後から思わぬ出費に悩まされるケースも少なくありません。
特に築30年以上の物件では、配管や電気設備の全面更新が必要になることもあり、数百万円単位の追加コストが発生することもあります。
2025年現在では建築基準法の改正や耐震性能の強化も進んでおり、築年数が古い住宅ほど基準を満たしていない可能性があります。
購入前には、耐震診断やインスペクション(建物調査)の活用をおすすめします。
まとめ
2025年7月現在、日本の住宅ローン金利は上昇局面に入り、不動産市場も変化の真っ只中にあります。
その影響で中古住宅の在庫が増え、価格交渉がしやすい時期が到来しています。
特に「夏の閑散期」は、買い手が少なくなることで交渉余地が広がるベストタイミング。
掘り出し物件に出会える可能性も高まります。
✔︎中古住宅を購入する際のポイントまとめ
・金利が上がる時期でも「交渉力」でお得な条件を引き出せる
・7月は繁忙期と閑散期の谷間で“良物件が残りやすい”
・ローンの金利タイプは将来の返済計画を見据えて選ぶ
・耐震性やリフォーム費用など、購入後コストも見極める
中古住宅の購入は「価格」だけでなく「タイミング」と「情報の質」が鍵です。
不動産の専門家に相談しながら、自分にとってベストな選択をしてください。
最新の記事